研究活動

 
研究活動
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研究活動

開園以来、牧野植物園では県内の野生植物の調査・収集・保存を行っています。1999年のリニューアルオープンからは、植物分類学及び有用植物学の研究活動を推進してきました。また、県内の野生植物について保全のための研究も行っています。    
 

未知なる地域 ミャンマー植物多様性・有用植物探査 ~植物多様性の基礎研究から応用研究まで~

ミャンマー連邦共和国は、多様な気候に恵まれ、多くの種類の植物があると考えられていますが、イギリス領時代に植物が研究されて以来、半世紀以上調査されていない場所なのです。当財団は、2000年からミャンマーの植物調査を世界に先駆けて行っています。主に、現状使用している生薬に代わる植物や、有用植物になり得る植物の探査活動および多様性研究に力を注いでいます。
現在、代替生薬の可能性が示唆されるミャンマーニンジンやモンパイノコヅチなどを新たに採集し、化学分析を進めています。

JICA草の根技術協力(フェーズⅡ)事業(地域提案型)

高知県が提案した「ミャンマー連邦チン州南部ナマタン国立公園地域における薬用ラン生産栽培技術の普及」事業(2011年~2013年12月)をJICAから委託を受けて取り組みました。 なお、これまでの活動は報告書にまとめられています。
「ミャンマー国における産業資源(有用)植物の持続的開発利用実現のための植物多様性保護・保全に必要な人材育成事業」報告書

JICA 草の根技術協力事業(草の根パートナー型)
【実施期間】2006年9月~2009年6月まで(2年10カ月)

「ミャンマー国における産業資源(有用)植物の持続的開発利用実現のための植物多様性保護・保全に必要な人材育成事業」報告書(PDF/30MB
JICAについて
草の根技術協力事業
草の根パートナー型とは
提案事業の概要

  研究活動
 
代替生薬候補種
(3種類)

モンパイノコヅチ
モンパイノコヅチ
(ミャンマー産のイノコヅチ)
生薬:牛膝(ゴシツ)
薬局方にも記載されている試験法で、有効成分が含まれていることを確認しました。今後流通品との詳細な比較検討を実施し、総合評価を行う予定です。
ミャンマーニンジン
ミャンマーニンジン
(薬用人参の仲間)
流通品の「人参」に含まれる有効成分が約4~6倍も含まれており、生薬で用いられている「竹節人参」のチクセツサポニンの成分も含まれることを確認しています。
ヒマラヤサイコ
ヒマラヤサイコ
(サイコの仲間)
根茎には生薬の柴胡(サイコ)と同様にわずかな苦みがあります。特徴的な成分であるサイコサポニンについて総含有量は2.6%と、中国産柴胡よりも高いことが確認できました。
 

薬用植物の栽培と開発研究 ~高知県植物産業振興へ向けた取り組み~

牧野植物園では、約90%を外国産に依存している生薬基原植物の国内生産を視野に入れ、有用性の高い薬用植物資源の探査から試作栽培、成分分析の評価までの研究を担っています。
現在、生薬「蒼朮(ソウジュツ)」をはじめ生薬「芍薬(シャクヤク)」などの試作栽培を行っています。生薬基原植物の栽培化により高知県の植物産業振興に結びつくことができるよう研究を進めています。
  薬用植物の栽培と開発研究 ~高知県植物産業振興へ向けた取り組み~
 
生薬「蒼朮」
高知県の中山間地域
活性化への取り組み
  県内の山間地などを利用して、栽培可能と見込まれる薬用植物について数種類の試作を開始し、その中から生育状態が優良だった蒼朮の基原植物である「ホソバオケラ」を見出し栽培増殖を2006年に開始しました。増殖した株は高知県に寄贈し、高知県から県内の協力団体に増殖を委託しています。
牧野植物園では、これらの試作栽培と化学分析など品質評価を担当し、県と連携した取り組みを続けています。
引き続き、苗の確保と増殖、品質向上を主眼とした研究および品質評価を行っていきます。
  直営圃場の様子
ホソバオケラ圃場の様子
 
   
蒼朮(ソウジュツ)
蒼朮(ソウジュツ)とは
中国江蘇省、浙江省、安徽省などに自生する、多年生草本「ホソバオケラ」の根茎。地上部が枯れるころに根茎を採集して乾燥させ生薬として調製し、煎じて服用します。ホソバオケラは江戸時代に中国より渡来し、主に佐渡島で栽培されていたことから日本国内においてサドオケラとも呼ばれ、重要な生薬の一つ(蒼朮)として使用されています。日本で流通している蒼朮は、ほぼ100%中国からの輸入に依存している現状です。
【効能】芳香性健胃、整腸、消化管内の水分代謝不全、腎臓機能低下、胃液分泌過多、下痢など。

 

野生植物の研究と保全活動

県内外の植物愛好家や多くの県民ボランティアの協力のもと、野生植物の収集をはじめ、分類・生態学的研究を行っています。分類学の基礎となる標本を採集したり、過去の標本の情報整理を行うことによって、絶滅のおそれのある野生植物について分布や生育地の状況の把握に努めています。自生地での生態調査や生息域外保全としての保存・増殖を行っているほか、園地に植栽して広く一般に公開して教育普及も行っています。行政や地域住民の進める保全活動を科学的な視点からサポートしています。
また、年2回高知県植物誌のニュースレター「Flora of Kochi」を発行し、植物誌発行以降、新たに分かったことや県内の植物に関するトピックを紹介しています。 失われつつあるふるさとの自然を守り、育てるための活動を行っています。
  高知県植物誌
2009年発行 販売中
『高知県植物誌』(標本画像 検索システムDVD付き) 財団法人高知県牧野記念財団 編集
高知県初の植物誌として、県内約3,000種類の植物を掲載
 
     

市民と協働の調査研究活動~タンポポ調査~

タンポポ調査は、タンポポを環境指標(ものさし)として、もともと日本に生育している「在来タンポポ」と外国産の「外来タンポポ」の割合から地域の自然度をはかる市民参加型の環境調査として、1970年代に大阪で始まった調査です。以降5年毎に調査が行われてきました。2010年より西日本19府県で一斉に調査が開始され、高知県も牧野植物園が事務局となって参加しました。これまでの調査結果を報告書にまとめています。
次回調査は2019年、2020年で予定されています。

タンポポ調査・西日本 高知県報告書
2015年版
2010年版

  タンポポ調査
 
受託事業
希少野生植物を食害から守るために
日本各地でニホンジカの増加による植生への被害が問題になっており、高知県においても同様に深刻化しています。聞きとり調査や捕獲頭数の分布などから食害拡大地域を推定し、現地調査を行い、防護柵の設置個所を提案しています。
 
   
 
研究報告 研究員 研究施設